GOEMONを見てきたよ(ネタバレ感想付き)
文春きいちご賞の受賞者として有名な紀里谷和明カントクの最新作「GOEMON」を友人と見てきました。
個人的な星評価としては
ってかCG使いすぎだろ度:★★★★★
期待しないで見ていけば、秀吉倒すところまではギリギリ及第点度:★★★
徳川家康の軍勢ってクローントルーパーっぽいよね度:★★★★★
これって実はコメディ映画だよね度:★★★★★
な感じ。
前もって言っておきますが、友人はキャシャーンに比べれば月とスッポン、全然見れるという評価をしてました。
つーことで以下で細かくレビューしていきたいと思います(以下ネタバレ)
とりあえず「役者」「美術」、そして「ストーリー」「テーマ」の4つについてレビューしてみます。
■GOEMONの「役者」さんについて
これについては文句なしだったと思う…のであまり語るところがない。
というかここまで良い役者を揃えておいて、演技がアレになっていたら逆に監督を尊敬してしまいます。
見る前は心配だったガレッジセールのゴリさんですが、彼に関しても最後のシーン以外は良い演技をしていたと思います。
伊武雅刀さんが出てたのが意外だったんですが、この人の徳川家康は割とハマり役だったんじゃないかな。
この点に関してはグッジョブ紀里谷カントクですね。
■GOEMONの「美術」について
全体の美術設定に関しては、全体的にヨーロッパの甲冑とかをイメージした感じ。
まぁここら辺は突っ込むのも野暮ってモンなんで何も言いませんが、「あぁ、こういう世界観なんだ」って理解するまでに凄い時間がかかりました。
理解した後は嫌いではなかったですけどね。
ただCG使いすぎ。というかCGに頼りすぎという印象です。
使ってないシーンが無いんじゃないかってぐらいのCG依存でした。
説明力が弱いところをCGで補完しようとしたら、逆に酷くなったってのが凄く伝わる感じでしょうか。
これじゃ目が疲れるし、見ている人のこと考えて作ってるのかなと考えてしまう。
映像中の役者とCGの背景の間に凄い違和感があるし、最後の関ヶ原(?)のシーンは特にチープで酷かった。
まるでゲームの画面を見ているよう。このご時世にCG使うなとは言わないけど、全部に使えばいいってモンじゃないと思う。
使う場所を考えることも大事では?
映画は派手さが全てではないでしょう。
■GOEMONの「ストーリー」について
どんなストーリーかと聞かれると、強いて答えるなら復讐劇でしょうか。
あまりストーリーというモノが感じられなかったというのが正直な感想です。
「明智光秀の乱から関ヶ原の合戦までを独自の考えでエンターテイメントに仕上げた」と書けば聞こえは良いでしょうか。
最近よく見る「見せる」映画であって、「語る」映画では無かったと思います。
ただエンターテイメントとしても最後の関ヶ原のシーンは酷かった。
映像的にもチープで、なおかつストーリーとしても必要なシーンが全くない(と思う…あったのかもしれませんが理解できなかった)。
そんな答えの見えないシーンの中で、最後の最後でゴリの演じる猿飛佐助が石川五右衛門を討ち取るんですが…
その時の背景(CG)と役者の間の違和感。
そして今まで頑張ってたゴリさんの突然の微妙な演技。
CG班が力尽きたんじゃないかとも思える鎧(しかもスターウォーズのクローントルーパーにしか見えない)の安っぽさ。
その全てが相まって笑いをこらえるのに必死でした。
このシーンのせいで、僕のGOEMONという映画の印象は、只のコメディ映画になってしまうほど。
なんだろう、最後まで頑張れなかったのかな。
エンターテイメントとしては豊臣秀吉を討ち取るあたりまでは見れた気がするのに。
■GOEMONの「テーマ」について
僕はこの映画を見る前に、この作品は「責任」をテーマにしたものだと聞いていました。
それを聞いて「あぁ面白いところを突いてるんじゃないかな」と思っていました。
当たり前ですが深いテーマです。
でもこの映画で「責任」への答えは、見終わった今も出ていない気がします。
この作品のどこに責任を描いていたのでしょうか。
自らの行動で親友やその家族が死んでしまい、それに対して主人公が復讐を行ったことが「責任」でしょうか。
それとも自らの今までの享楽に対して、主人公が行ったことが「責任」でしょうか。
それとも天下人自身が発する発言に対する「責任」でしょうか。
正直に言って、それを「責任」と捉えるには余りに稚拙なストーリーだったと思います。
個人的なこの作品に対する辛口評価はそこから来ています。
「只」のエンターテイメントとしては及第点な作品でしょう。
しかし「責任」をテーマにしたからには、それを語る「責任」が監督には存在します。
テーマに対する監督の答えが、その作品の魅力になると僕は思うからです。
監督の語りたい「責任」は何だったんでしょうか。
この映画に出ている素晴らしい役者さんは、監督の語りたいことを理解されて演じていたんでしょうか。
残念ながら一観客たる僕は監督の語りたいことは全く理解できませんでした。
総評として、エンターテイメントとしてはまぁ(途中までは)見れたモンだったんじゃないかなと思います。
語弊はあるかもしれませんが、良くも悪くも「平均的日本映画」でしょう。
ただ忘れてはいけないのは、そんな作品はゴロゴロしているということです。
テーマを語るからには作り手の思想を出して欲しい。
僕はそう思います。